人が情報を駆逐する日はこの先本当に来るのか。


OGC2008が先週の金曜日3月14日に無事行われ、大変有意義な講演が沢山あり、そこへ参加した僕としても、有意義な時間を過ごせた。
振り返るに、OGC2008とは何だったのか、一つの側面から見ると「今後コンピュータアーキテクチャはどのように進化していくのか」ということだった。
ゲームジャーナリストの新さんの講演内容を引用する。

新氏はここで長期的な展望に話題をシフトし、米国の未来学者Ray Kurzweil氏が唱える「収穫加速の法則」にもとづく世界観を紹介した。仮に、今後数十年で人間の処理能力が現在の数万倍になっていくとすれば、現在の我々にとり洪水のような全インターネットの情報量ですらわずかな時間で全体を把握できるようになり、「この時代って情報が少なかったんですね」ということになるだろう。ここで新氏の議論は、GDC2008で基調講演を行なったRay Kurzweil氏が語った未来像を、もういちどゲーム産業の視点で整理しようというものになる。

http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20080315/ogc2.htm


未来を見据えた講演が多く*1、現在すべき事というのは「みんなの共通認識として既に確立されちゃってるので確認するだけ」といった感じ留めるという事が多かった。
オンラインゲーム業界視点で見てこの理由を紐解くと、「オンラインゲームの限界を感じてしまっている」といった所だろうか。
そもそもサービスとは、ある特定のところまで行き着くと、あまり進化しないもの「人間が相手であるが故の限界」があるんじゃないだろうか。
そこで、人間側にもっと賢くなって貰って、僕らが作っているものに対して、不満足感を増大化していくしかないと、最終的な見解として結論付いてしまうのかもしれない。


だから、次世代アーキティクチャを羨望してしまう訳だ。
今回のOGCで提示された次世代アーキテクチャは、簡単に言うと以下の二つであったように思う。


電脳コイル的拡張現実
拡張現実(Argument Reality)によって、現実の空間へ3Dモデルを投影することによって、現実空間そのものを巨大なプラットフォームとしてしまう考え方。
電脳コイルを見てもらうと、この拡張現実というものがよりリアルに、現実味を帯びて感じてもらえると思う。
電脳コイルの中では、電脳メガネという機械を付けることにより、それを通して仮想現実を体験できる。

これが実現されれば、今までなかったインタラクションを老若男女色々な人へ与えることが出来るだろうし、一気にコンピュータと人間の情報量は逆転する。
詳しくは、http://watch.impress.co.jp/game%2Fdocs/20080315/meta.htmの下のほうを参照。


ニコニコ動画的情報の増加
ニコニコ動画は、次の10年への洗脳場所。
ニコニコ動画は、常に情報が見ている人へ提供される。
間が無い。暇を与えない。
そういった情報量を処理出来るだけの慣らしの場所なのではないか。
その先にあるものとは人間の情報処理能力の大幅な向上で*2、それによって現在の情報量を凌駕する知識を得ることが出来るのではないか。
こちら側のイメージとして、僕は攻殻機動隊のUIをイメージする。

3D空間上に複数のウィンドウが奥行きがあるように重なり、半透明化で表示され一気に複数の情報を処理することが出来るようになる。
それに、始視点の移動やウィンドウの傾きによって、より多くの情報を得られるようになるはずだ。
まずは、UbuntuのCompiz FusionやSunのLooking Glass等に代表される3Dデスクトップが実用可能にならなくては話しにならない。
D


現実的な解としては、両方のいいとこ取り。
電脳コイル攻殻機動隊にもあるように、その場に3Dデスクトップを表示して、簡単にデータを引き出せるようにすることだろうか。


ただ、10年後このような世界が訪れるのかと言われると、疑問だよねー。
そこまで早く人間がその環境に適応出来るんだろうか。
まぁ、そこでゲームの出番だったりするのかもしれない。
最新技術をオブラートに包む最高のプラットフォームはゲームだしね。

*1:OGCがそういう場だったというだけなのかもしれないが・・・。

*2:ミームの新陳代謝